学校の屋上の床とパラペットの状況。床のモルタル。その下にアスファルト防水層が施工されていることが竣工図面からわかっている。床の目地は伸縮性がある樹脂製。
学校の外壁の状況。同一とは判断できない複数の色がある。
学校の窓の状況。これら窓枠の周囲のシーリング材にアスベスト(石綿)が含まれるか確認した。

屋上と外壁の改修工事が予定されている小学校の校舎を調査しました。事前に調査計画書を提出したところ、窓や扉の枠のまわりのシーリング材の確認を求められました。

調べたところ、日本シーリング材工業会 HP http://www.sealant.gr.jp/tec/asbest  等に資料がありました。

アスベストは補強やたれ止め等を目的として配合され、乾性油やブチルゴムに練り込まれたペーストの状態で使用された。

*乾性油(かんせいゆ)は、空気中に放置すると、ベタつきがなくなって固い膜(樹脂状)になる植物油。
*ブチルゴムは、 水や空気を通しにくく、さまざまな素材に密着し、乾燥後も硬くなりすぎない特殊な合成ゴム。

除去されたアスベスト含有シーリング材は有機系樹脂で固定されていることから レベル 3 の 石綿含有産業廃棄物である。

廃棄物の品目としては、「廃プラスチック類」となる。

これらのシーリング材は、施工時・施工後・経年劣化後のいずれにおいても

アスベストは湿潤もしくは固定された状態で飛散しないので、通常の使用状態では特に健康に影響はないと考えらる。

油性コーキング材

1998年頃までアスベスト含有製品があった。

汎用シーリング材として長い歴史があり、建築・屋根・板金で使われる。

表面は固まるが、内部は粘土状で、ひび割れへの追従性が高い。

ブチルゴム系シーリング材

2002年頃までアスベスト含有製品があった。

建築・屋根・板金・自動車・電装・DIY関で使われる。

粘着力が強い柔らかいゴム状で、経年劣化後は硬いゴム状になる。

アスベストが使われていないシーリング材

1・2成分形シリコーン系     キッチン・浴槽廻り・屋根瓦の補修
2成分形ポリイソブチレン系
1・2成分形変成シリコーン系   建築、板金加工
1・2成分形ポリサルファイド系  PC板目地、サイディング目地充填
1・2成分形ポリウレタン系    ALC板目地、塗装・クロス下地処理
1・2成分形アクリルウレタン系 
1成分形変成ポリサルファイド系 PC板目地、サイディング目地充填
1成分形アクリル系       ALC板目地、塗装・クロス下地処理
シリコーン系マスチック

油性コーキング材とブチルゴム系シーリング材を見分ける

判定項目 油性コーキング材 ブチルゴム系
主成分 乾性油(亜麻仁油)+鉱物質充填剤
(炭酸カルシウム等)のペースト
ブチルゴム(IIR)系のゴム状ポリマー
硬化の仕方 酸素と反応して表面のみ皮膜を形成。
内部は硬化しない
溶剤の揮発等により柔らかいゴム状。
硬化後も内部は固まりきらない
主な使用時期 1950年頃輸入〜1970年代頃まで主流(JIS A
5751、2004年規格廃止)
―(両者とも古い建物・補修痕で残存)
使われる部位 サッシ回り、モルタルひび割れ、屋根瓦、板金のはぜ折部など相対変位の小さい目地 サッシ・板金の裏当て、防水シート
(ルーフィング)の継ぎ目・端末、めくら目地、二次防水
露出への使用 露出目地にも使われた 耐候性が低く露出部には原則使われない
(裏側・見えない部位)
色調 グレー系が多い 灰色〜黒が多い
表面の見た目 しわがある、ゴミの付着がある ゴミの付着が多く、指でこすっても取れない。
表面の凹みは少ない
指触(押す) 押すと凹む。
表面に皮膜があるが内部は柔らかい
柔らかく粘着(タック)が残る。粘土・パテ状
目地周辺の汚れ 油じみがあり、そのため汚れも目立つ 汚れはほとんどないが、
油分による筋状の染みが出ることもある
臭い 油(乾性油)の臭いがする ほとんど感じられない
切り取り試験 表面から数mmに皮膜があり、内部(奥)は比較的柔らかい。
内部気泡はほとんどない
切断面がべとべとする。
柔らかく柔軟性が大。
内部気泡はほとんど見られない
燃焼テスト (判定表に記載なし) 黒い煙が少し出る。
黒〜灰色の燃えかす。
パラフィン(ローソク)の燃えた臭い
溶剤との関係 — 耐溶剤性が劣り、シンナーで軟化・溶解する
経年劣化後の状態 粘土状に硬くなる 硬いゴム状に硬くなる